顔を近づけた瞬間、ふわりと立ち上る煮干しの香りに脳が痺れるようなスイッチが入る——そんなラーメンが、つくばにあります。
醤油のキレと煮干しの旨味が絶妙に重なった極淡麗スープ、パツパツ食感の細麺、そして名物・和え玉まで。五感を刺激するその魅力を徹底レポートします。
店長、この前SNSで見た“イチカワ”って店、そんなにすげぇの?
お、イチカワか。あそこはつくばの煮干しラーメンの聖地で着丼したら煮干しの香りがガツンと来る極淡麗スープだ。
ほぉ〜、香りでくるタイプなんだな!
あそこは“和え玉”発祥の店だ。油そばみたいに食べてもいいし、残ったスープに入れて味変もできるぞ。
マジかよ!そりゃ二度楽しめるすげぇ店だな。
煮干中華ソバ イチカワとは?つくばの人気ラーメン店を紹介
茨城県つくば市天久保に店を構える「煮干中華ソバ イチカワ」は、ラーメン通の間で全国的な知名度を誇る煮干しラーメンの名店です。平日昼のみの営業ながら、その味を求めて県内外から客が訪れ、開店前から行列ができるのは日常茶飯事。看板メニューの「煮干ソバ」は、煮干しの旨味と香りを極限まで引き出しながら、えぐみや雑味を抑えた極淡麗スープが特徴。パツパツ食感の細麺や名物の和え玉など、一杯の中に店主の緻密な計算とこだわりが詰まっています。
イチカワのメニュー構成と特徴
煮干中華ソバ イチカワの魅力は、メニュー数の少なさにもあります。
一般的なラーメン店のように多彩なバリエーションを並べるのではなく、あえてメニューを絞り込み、看板の「煮干ソバ」を中心に据えています。これは、店主が一杯ごとのクオリティを極限まで高めるためのこだわりです。
基本メニューは2種類
イチカワの基本メニューは、以下のシンプルな構成です。
- 煮干ソバ
- 味玉付き煮干ソバ
どちらもベースは同じ極淡麗の煮干しスープで、違いはトッピングの有無。味玉は、黄身にタレを注入する独特の仕込みがされており、スープに浸すことで旨味が溶け出していきます。
サイド&追加メニュー
イチカワに来たら外せないのが和え玉。
これは替え玉の進化版とも言える存在で、提供される麺には醤油ダレと油が絡められ、刻み玉ねぎや魚粉が加えられています。食べ方は自由で、そのまま“油そば”として食べてもよし、残ったスープに投入して味変を楽しむもよし。
さらに、生卵をトッピングして「すき焼き風」にする通な楽しみ方も可能です。
飲み物とその他
飲み物はビールが用意されている程度で、ラーメンを引き立てる最小限の構成。サイドメニューはほぼ存在せず、すべての集中が麺とスープに注がれています。
限定メニューや変化球
イチカワでは基本メニューが変わることはありませんが、ごく稀に煮干しの種類やブレンド比率を変えた限定仕様が登場することがあります。これは公式X(旧Twitter)で事前告知されるため、常連客の間では話題となります。
使用している食材のこだわりポイント
初めてイチカワを訪れたとき、丼から立ち上る香りに驚かされました。
後から知ったのは、その香りの正体が、毎日目利きされる良質な煮干しと、丁寧な下処理によるものだということ。
スープを口に含めば、醤油ダレの香ばしさと煮干しの旨味が舌全体に広がり、麺をすすれば小麦の香りが追いかけてくる。
一見シンプルな具材構成ですが、チャーシューの脂が溶け出すタイミングや、長ネギ・ワカメのアクセントまで緻密に設計されていて、「素材の良さを最大限に引き出す」という店主の哲学が随所に感じられます。
香りで脳を刺激する!イチカワの煮干しスープの魅力
丼がカウンターに置かれた瞬間、ふわりと立ち上る煮干しの香りが空気を支配する。顔を近づけると、その香りはさらに濃密になり、鼻腔を通って脳へと届き、まるでスイッチを押されたかのように食欲が加速する——。イチカワのスープは、単なる出汁ではなく、香り自体が前菜のような役割を果たす。口に含めば、醤油のキレと煮干しの旨味が幾層にも重なり、香りと味が一体となって押し寄せてきます。

実際に食べてみた感想と食レポ風詳細レビュー
お店に入店し、カウンターに腰を下ろすと、店内にはほのかに煮干しの香りが漂っています。着席してから数分、カウンター越しに丼が差し出されると、その瞬間、香りは一気に濃くなり、鼻腔を突き抜けて脳に届きます。まるでスイッチが入るように食欲が加速し、箸とレンゲを同時に手に取りました。
まずはスープをひと口。口に含んだ瞬間、煮干し特有の旨味がふわっと広がり、続いて醤油のシャープなキレが舌を引き締めます。後味にはほのかな煮干し独特の苦味とコクが残り、余韻まで計算された仕上がり。まさに「香りで始まり、香りで終わる」極淡麗スープです。
次に麺をすすります。自家製の低加水ストレート細麺は、博多ラーメンのバリカタを思わせるパツパツ感。噛むたびに小麦の香りが鼻に抜け、スープの旨味をしっかりと抱え込んで口へ運びます。麺の硬さとスープの温度が絶妙に調和し、すすった瞬間の喉越しが心地良い。

具材はバラチャーシュー、大きめに切った長ネギ、そしてワカメ。バラチャーシューは口に入れた瞬間にほぐれるほど柔らかく、脂の甘みがスープに溶け込んでまろやかさをプラス。長ネギのシャキシャキ感と清涼感がスープの濃厚さを引き締め、ワカメは磯の香りで味の幅を広げます。
そして、麺を半分ほど食べたところで名物の「和え玉」を追加注文。丼に乗せられた和え玉は醤油ダレと油が絡められ、刻み玉ねぎや魚粉が香りを強めています。まずはそのまま油そばのように混ぜて食べると、煮干しの香りがダイレクトに押し寄せ、パンチのある味わい。次にスープに投入すると、油のまろやかさと醤油ダレがスープに溶け込み、まるで二杯目のような新しい一杯が完成します。

食べ終える頃には、口の中も鼻の奥も煮干しの香りで満たされ、満足感と同時に「また来たい」という欲求が湧き上がってくる——それがイチカワの魔力です。
営業時間とアクセス情報:訪問前に知っておきたいポイント
煮干中華ソバ イチカワを訪れる前に、まず押さえておきたいのが営業スタイルです。
この店は平日の昼営業のみという非常に限られた時間しか開いていません。営業時間は11:30〜14:00ですが、ラストオーダーは13:30。そして何よりも重要なのは「スープ・麺がなくなり次第終了」という点です。人気店ゆえに、開店から1時間以内に完売する日も珍しくありません。確実に食べたいなら、開店30分前には並び始めるのがおすすめです。
店内での撮影に関しても提供されたラーメンや和え玉などの料理のみが撮影可能で撮影は自分の席から、他のお客さんや店内全景が写り込まない範囲で行う必要があります。
店舗名 | 煮干中華ソバ イチカワ |
住所 | つくば市天久保2‑9‑2 リッチモンド2番街 A101 |
営業時間 | 昼11:30〜14:00 L.O.13:30 材料切れ次第終了 |
休業日 | 日曜・祝日 不定休あり |
駐車場 | 駐車場8台程度あり(他店共用) |
座席数 | カウンター9席のみ |
関連ページ | 煮干中華ソバイチカワ(公式)(@ikou246)さん / X |
まとめ
煮干中華ソバ イチカワは、つくば市にありながら全国のラーメンファンが足を運ぶ“煮干しラーメンの聖地”です。
丼を前にした瞬間に立ち上る濃厚な煮干しの香り、醤油のキレと旨味が絶妙に重なった極淡麗スープ。——そのすべてが計算し尽くされ、最後の一滴まで飽きさせません。
さらに名物の「和え玉」で味を二段階に変化させる体験は、一度味わえば忘れられない中毒性があります。具材や薬味もシンプルながら計算された配置で、スープを主役に引き立てる脇役たち。食材の選定から下処理、調理工程まで、すべてに店主のこだわりが詰まっています。
ただし、営業時間は平日昼のみ、しかも材料切れ次第終了というハードルの高さがあるため、訪問には事前の計画が必須です。開店30分前には並び、店内撮影ルールや行列マナーを守ることも忘れずに。
イチカワの一杯は、香りで始まり、香りで終わる——そんな印象を与えてくれる特別なラーメンです。煮干しの旨味と香りに心を奪われたい人は、ぜひ一度、つくばまで足を運んでみてください。きっと丼の前で、あなたの脳も「バチッ」とスイッチが入るはずです。
心に沁みる一杯を
ラーメンってのはな、ただ腹を膨らませるためのもんじゃねぇ。
一杯の中に込められた香りや旨味、麺の食感、具材の役割、そして食べ終えるまでの物語……その全部を楽しんでこそ価値があるんだ。
コメント